
『戦術で勝ちに行く。』をスローガンに、今シーズンからゲームプラン戦術を取り入れたGOAT FCのシーズンが始まった。
【試合前】
試合前日、普段チームを率いる及川コーチが本業の関係で帯同できず、指揮をとることができないとの一報。
これは決して初めてのことではない。
だがチームにとって、指揮官の不在は大きな痛手となる。

指揮官は、
GOATの声を聞き意図を汲み取り、
オペレーションをチームに伝える。 そして、GOATと話し合い交代のカードを切る。
それだけでなく、 試合前から選手に声をかけ、 試合中は常に適切な指示を送り、 試合後はミーティングで内容を振り返る。
現場監督である及川コーチの不在は、
明らかにチームのパフォーマンスに影響を与える。
そこで、
試合前日のミーティングでは
如何に及川コーチの不在をカバーするかが第一優先だった。
コーチングを最優先する決意でスカッドを組んだのだ。
試合当日、
コンディション不良で試合出場を見送る予定だったSennaが
指揮を執るために会場へと足を運んだとの連絡。

試合に出られない状況にも関わらず、 チームに貢献しようとする姿勢は、 GOAT FCの一体感を象徴する出来事だった。
試合に出場する事だけが選手の価値ではない。
ベンチメンバーや出場できない選手も、
役割を担い、勝利のために貢献する。
戦術的なクラブとして、
全員が機能することこそが、
戦術と連携を重視するGOAT FCの目指すべき姿勢だ。
試合前、BuchiからGOATへもう一つの連絡が届く 「強風を考慮した戦術を準備すべきではないか?」 というメッセージ。 現場では、試合に影響を及ぼすほどの
嵐のような強風が吹き荒れていると言うのだ。
GOATは即座に強風への対策をまとめたメモをチームに送る。

~メモ~ 【向かい風の戦い方】 ・ボールは止まる。裏へ落とすフィードを活用。 ・押し返す風を活かしGKゲートを狙うクロスを仕掛ける。 ・追い風の相手にロングシュートを打たせない守備、GKは低めのポジション。
【追い風の戦い方】 ・ボールの加速、軌道変化を利用しロングシュートを積極的に狙う。 ・クロスはゴールへと吸い込まれる軌道を意識。 ・直線的なハイボールは流れる、対角フィードを活用。 ・守備ではCBに渡ってからプレスをかけ、バックパスのミスを誘う。
GOAT FCの基本戦術は、風の影響を受けにくい。通常通りに機能する。
風の影響を大きく受けるのは、ロングフィードを多用するチームだ。
よって風は我々に有利に働く。
可能であれば、向かい風側のピッチから試合を始めたい
——GOATはそうチームにLINEで指示を出した——
【向かい風の前半】
試合開始とともにGOAT FCは主導権を握った。 渦戦術の精度が向上していることが明確に感じられる展開だった。 ただ風の影響は予想以上だった。

それでも選手達は、戦況を見極めていた。
相手がバイタルエリアを固める中、巧みに裏を狙い、向かい風を利用した攻撃でチャンスを創出。

守備では相手に蹴らせ 追い風にのせてフィードを流し、失点のピンチを作らなかった。 だがそんな流れが一番危険だ。 クリアミスとコーチングミスが重なり、痛恨の失点。 相手はワンチャンスをものにした。
それでもGOAT FCは冷静だった。 なぜなら試合のペースを完全に握っていたからだ。 「必ず逆転できる」 そう思える試合の流れ。 前半を終える。
【ハーフタイム】
GOATは選手たちに、 後半の追い風の活かし方を再確認させた。 追い風を活かす事こそが、この試合を制するカギになる。 そして、バイタルを締める相手守備陣形の特徴を再度伝え、 それを無理にこじ開けるのではなく、 広がるボトムを活用するプレーを徹底するよう指示。
【追い風の後半】
後半開始とともにGOAT FCは、 相手陣形を考慮しボトムを有効に利用、 そしてスコアを加味し、攻撃を加速、 さらに風向きを利用し対角フィードを狙った。 相手陣形・スコア・風向き、全てを理解しペースを維持。

しかし、なかなか得点が生まれない
そんな中、代理監督のSennaが後半5分、
右渦に配置され積極的な守備を特徴とするYutaから
ドリブラーTomoyaを投入し、
攻撃に新たな風を吹き込んだ。

そして迎えた後半30分、
GOATとSennaは協議の末、
オールコートマンツーマン+4トップのビハインド戦術を決断。
その直後、ケントの対角フィードが炸裂し、
ポジションチェンジでWG化した左渦Syuntaがボックス内へ侵入。

相手DFが足を引っ掛けPKを獲得。
Syuntaが冷静に決め、試合を振り出しに戻した。
これに伴いゲームプランはドロー戦術へと移行
だがGOAT FCは『戦術で勝ちにいく。』
残り10分、守備枚数を減らし、カウンタートラップを発動。
相手GKとの1対1を何度も作り出した。
だが、最後の一押しが足りず、試合はスコアレスドローで終了。
【選手インタビュー】

PKを決めたSyuntaは、
「ハットトリックを狙えた」と
悔しさをにじませた。
選手たちは試合の手応えを語り、確かな成長を実感。 そしてソシオたちは、最後まで勝利を追求し続けたスリリングな展開に興奮を隠せなかった。
【GOATの総括】
この試合で最も評価すべきは、
ゲームプランの実行力と、
風向きを考慮した戦術の体現力だった。
そして、それ以上に重要なのは、
チームの一体感の向上である。
代理監督を務めたSennaは、
GOATと連携を取りながら見事に試合をコントロール。
さらに、ベンチメンバーも声を枯らしながら的確な指示を出し続けた。
チームは今「史上最も戦術的なクラブ」として必要不可欠な、
強固な連携力が確立されつつある。
過去、多くのチームは
天才に依存し、風向きが変わって崩壊していった。 しかし、GOAT FCは違う。
3年の積み重ねによって築いた「一体感」は、
強風を推進力に変えた。
GOAT FCは、単なる「結果的な強さ」ではなく
「組織的な強さ」を手に入れたのだ。
これからの成長が、楽しみでならない。
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